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絵本の持つ力!その①文字の歴史について

トルダ・イロナ先生学習講演会
2014年11月8日(土) 9:30~12:30


福岡東部子ども劇場事務所にて行われた学習会。通訳を神野和美先生にしていただき、参加者は39名。絵本について・・・と思いきや、文学誕生の壮大な歴史から始まった話は、非常に興味深く、私たちの活動に重要な意味を持つ内容でした。
何回かに分けて、ご報告したいと思います。
 
  
 
◇人類はいつから「読み物」を読み始めたのか?
  それは、「文学」が生まれた時から・・・
 昔は、歴史や暮らしの知恵、物語など全て口伝えで伝承されていったが、次第に情報量が増え、一人で覚える事が難しくなった。そこで、残すことを考え文字を発明した。

 アジアでは、ヨーロッパより古くから「書き残すこと」が始まった。例えば、中国では国を治める際に、大切な情報を書き残して後世に伝えるということを重要視し、早くから文字を使っていた。紀元前から学校があり、身分や性別に関係なく沢山の学生が教育を受け、実用書や物語本も作られた。印刷も、ヨーロッパより早い時期の9世紀頃から行われていた。

 一方、中世ヨーロッパでは、書き残すことに注目し習得しようとする人が少なく、3~4世紀から14~5世紀までは、知識や物語は頭の中で十分管理できると考えられていた。教会の壁画は、文字を読めない人がキリストの教えを理解できるように描かれたもので、さらに神父が毎週の礼拝で人々に語り聞かせていた。

 
 様々な民族がいるヨーロッパで書き残すために生まれた文字が、ラテン語。聖書もラテン語で書かれたものしかなかった。ラテン語を使える限られた存在として神父がヨーロッパの知識を握り、権威を強めていった。話し言葉は多様にあり、王侯貴族全く違う言葉を話していた。しかし、次第に腐敗していく教会に疑問を抱いた人々が、自分たちが使う言葉で聖書を訳し始める。それにともない、読み書きを習得する人が増えていく事となり、聖書だけでなく、様々な種類の読み物が広まっていった。さらに、15世紀中頃にドイツのグーテンベルグが活版印刷技術を発明し、ルネサンス・宗教改革・科学革命は飛躍的な発展をとげた。

※つづく・・・